2009年07月04日

精神

昨日、精神を見てきました。

先週のTBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」に想田監督と宇多丸さんの対談が流れて、これは見なければと思ったんですね。

この映画は、精神病棟に入院している患者さんを撮っているのだと思っていました。
違ってました、通院治療を受けている方を撮っている映画でした。

様々な病気を抱え、悩み苦しんでいる人たちが登場します。

うつ病、そううつ病、統合失調症、自殺願望・リストカット、幻覚、幻聴……。

診察する山本先生は、「精神疾患の入院治療」を全く否定するものではないが、「無床治療」で治療することが良いのではと考えています。

ドキュメント、観察映画の名のとおり、「こらーる岡山診療所」の待合室での患者さんの話や、診察室での、山本先生と患者さんとの言葉のやり取りを「演出無し」「リハ無し」、そのままが画面に映し出されます。

何人かの患者さんが登場するのですが、2番目に登場した方の話が一番重く感じました。

父親が蒸発、その後、母との確執、結婚して子どもができたのに、夫の無理解、母の無理解、育児ノイローゼの挙句、虐待。。。そして子どもの死。

夜になると、頭の中に「この家から出て行け」「お前なんか生きている資格はない」という声が聞こえ、怖くなって公園で野宿したのだという。

この方はこのシーンを撮られた後、「あのシーンを流すのは止めてほしい」と監督に申し出たそうです。
監督と何度か話し合いを持ち、最終的には映画に使われることを受け入れたそう。
映画を観た後、館内で買った「精神病とモザイク」にこの辺のことが詳しく書かれています。

予告編にも出てくる菅野さんの詩、とても素敵なんです。
今を生きているんです。

それで十分です。

それが全てです。


精神より




この映画、去年の秋に、出演された患者さんへ試写会も行われています。
その後、映画を観た感想などを、患者さん、想田監督、山本先生らが一緒に語り合ったのだとか。


この映画が撮られたのは、ちょうど小泉改革による「しょうがい者自立支援法」が制定された頃で、この小泉改革の事にも患者さんや病院のスタッフが触れています。


映画が終わった後、想田監督が登場され、30分ほどの質問タイム!!

いくつか質問が出たのですが、印象に残ったやり取りを書きます。

質問:「この映画を観ていると、小泉改革の影響で、しょうがい者も病院も大変な状況に追い込まれている。例えばマイケル・ムーアのように、映画を通して、社会に訴えたい、社会を動かしたいと思わないか?」

相田:「映画を使って社会を動かしたいとは思わない。マイケル・ムーアも映画でブッシュを追い落とそうとしたが、結局ブッシュは勝っている。映画をプロパガンダとして使うつもりはない。自分は学生の頃、東大で「東大新聞」の編集長として、一定の主義・主張を書き、世の中を動かしたいとがんばっていた。ところがその時分かったのは、そういう新聞を読むのは自分と同じ主義・主張を持っている人たちである。自分と正反対の考えを持っている人にこの新聞を読んでほしいのに、そういう人は詠まない。何かの主義主張を訴えたいと思っても、自分と考えが違う人は最初のとっかかりで見ない、読まないということを知った。だから今、映画で主義主張を訴えようとは思わない。これは観察映画。ありのままを映しているだけ」

想田監督は、毎日午後7時の回が終わった後、登場されて質問を受けるそうで、12日まで続けるということです。

【追記】この回だけ、英語の字幕が付きます。

生の想田監督を見たい方は、ぜひ行ってみてください。

映画『精神』公式サイト

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【7月5日訂正】
監督の名前が違っていました。失礼いたしました。
×相田
○想田



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posted by hyg-27 at 17:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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